「経理は苦手だけど、最低限のことはちゃんとやっておきたい」
そんな方にこそ知っておいてほしいのが、経理の基本+一歩進んだ視点です。
今回は、初心者の方でもすぐ実践できて、経営の安定につながる5つの習慣を紹介します。
① 事業用の口座とカードを分ける 〜お金の見える化の第一歩〜
プライベートのお金と事業のお金がごちゃ混ぜになると、何にいくら使ったのか、把握が難しくなります。
その結果、経費の計上漏れや帳簿ミスが起こりがちです。
対策:銀行口座とクレジットカードを「事業専用」で持つこと。
これだけで、月末に通帳を見れば「どの支出が事業に関係あるのか」が一目でわかります。クラウド会計ソフトを使う際も、データ取り込みがスムーズになりますよ。
② 「資金繰り表」をつけて、お金の流れを先読みする
「今は口座にお金があるから大丈夫」と思っていても、翌月に大きな支払いがあったり、売上の入金が遅れたりすると、**資金ショート(お金が足りなくなる状態)**になることがあります。
そこで役立つのが**「資金繰り表」**です。
たとえば、こんなふうに記録しておきます:
月 | 入金(売上) | 出金(経費) | 残高 |
---|---|---|---|
5月 | 300,000円 | 250,000円 | 50,000円 |
6月 | 150,000円 | 200,000円 | ▲50,000円(不足) |
このように、お金の動きを月単位で“予測”しておくことが、経営者にとって非常に大事です。
③ 領収書には「使った日」と「使った目的」をその場でメモ
経費として認められるかどうかは、「何のために使ったか」を説明できるかにかかっています。
たとえば、ただ「2,000円の飲食代」の領収書があっても、それだけでは税務署に認められないことがあります。
対策:領収書やレシートには、以下のようなメモをその場で記入する習慣を。
例:
- 3/10 〇〇社との打ち合わせ
- 4/5 展示会出張時の昼食代
こうしておくことで、あとで経費処理がスムーズになるだけでなく、税務調査のときも安心です。
④ 現金払いは「その場でメモ」が鉄則。後回しはミスのもと
現金で支払ったとき、「あとでまとめて記録しよう」と思って忘れてしまうこと、ありませんか?
とくに現金払いは記録が残らないため、その場でメモしないと内容があいまいになります。
おすすめの方法:
- 小さなノートを「経費メモ帳」として持ち歩く
- スマホのメモアプリに「経費」フォルダを作って記録する
- 領収書に直接書き込む
日々の積み重ねが、あとで大きな時短につながります。
⑤ 「利益」と「現金残高」を毎月セットで確認する
「黒字なのにお金がない」というケースは、経理初心者にとってよくある落とし穴です。
帳簿上の利益は出ていても、実際には借入金の返済・設備投資・税金の支払いなどで手元のお金がどんどん減っていることがあります。
対策:月末に次の2つをチェックする習慣をつけること。
- 今月の売上・経費 → 利益はいくら?
- 銀行口座・財布に残っている現金はいくら?
この2つをセットで確認することで、「数字だけの黒字」に騙されず、資金の健全さを保つことができます。
いかがでしたか?
これら5つの習慣を取り入れるだけで、経理がぐっと実践的になり、経営の見通しも明るくなります。
最初から完璧を目指さず、「できることから1つずつ」始めてみてくださいね。